画像はイメージです。
こんにちは。今回は、東村アキコ先生の傑作エッセイ漫画
**『かくかくしかじか』**をご紹介します。
「笑って泣ける」「読後感が半端ない」と話題のこの作品。
実際に読んでみたら、想像以上に心を揺さぶられました。
■ あらすじ:絵が好きだった少女が“鬼の先生”と出会うまで

主人公は、美大を目指す高校生・アキコ。
宮崎県で平凡な日々を送っていた彼女は、ちょっと絵が得意で、
「まぁ美大行けたらいいかな~」くらいの軽い気持ちでした。
そんな彼女の前に現れたのが、地元の絵画教室を主宰する
日高先生――通称「鬼のスパルタ指導者」。
遅刻は許さない。姿勢も怒鳴られる。返事が小さくても怒鳴られる。
体育会系どころじゃない、まさに“芸術界の軍隊”です。
でも、そんな厳しさの裏には、
「本気で絵に向き合ってほしい」という、
日高先生の深くて熱い情熱が込められていました。
■ 魅力①:笑いながら読める東村アキコ節
重くなりがちなテーマかと思いきや、
とにかく笑える!
若かりし頃のアキコが、自分に甘くてズボラでヘタレで…
そんな自分をギャグ満載でボコボコに描いています(笑)
- 授業中に寝る
- 漫画ばかり描いて怒られる
- 「私って天才!」と思い込んで痛い目にあう
誰にでもあるような青春の恥を、
笑いに昇華するテクニックはさすがです。
■ 魅力②:創作をする人すべてに刺さる言葉たち
『かくかくしかじか』はただの青春回想録ではありません。
**「描くとは何か」**という、創作の本質に何度も迫ってきます。
- 才能がないと気づいたときの絶望
- それでも描きたいという衝動
- 努力の方向を間違える怖さ
特に美術系、マンガ志望の人には、
まさに“心の教科書”になるでしょう。
■ 終盤:別れと気づきで涙が止まらない
そして、物語は後半に差しかかると、
“ある別れ”が静かに近づいてきます。
日高先生との関係、過去の言葉、叱咤の意味…。
すべてが繋がり、一気に涙腺が決壊しました。
普段泣かない人でも、きっとこれは刺さると思います。
■ 全5巻+受賞歴あり
- 全5巻(集英社・Cocohana連載)
- 第19回 手塚治虫文化賞 マンガ大賞(2015年)受賞
サクッと読めるボリュームながら、
“自分の原点を見つめ直す”読書体験ができます。
■ こんな人に読んでほしい!
- 美術・創作に関わっている人
- 学生時代に恩師との思い出がある人
- 人生にちょっと迷っている人
- 東村アキコ先生の他作品が好きな人
■ おわりに
人生で、一番怒ってくれた人は誰だったでしょうか?
もしまだ出会っていないなら、
この物語を通して“自分にとっての恩師像”を感じてみてください。
『かくかくしかじか』は、
笑って、泣いて、前を向ける。
そんな宝物のような作品です。
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